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シエル (Ciel) |
キスをした後、先輩はにこりと笑って俺の背中に 回りこんで、そっと抱きついてきた。 そろりと動く白い腕。 不自然なまでの器用さで先輩の指はシャツの中 に滑り込んでくる。そのまま、蜘蛛の足のように 俺の体の上を五本の指が這っていった。 「―――先、輩?」 「えっち、しましょう」 本当に気軽に、いつもどおりの明るさで。 シエル先輩は、およそ彼女ににつかわしくない言 葉を口にした。 「好きにしてくれて、いいんですよ」 耳元で誘惑するように、先輩はそう囁いた。 ためらいもあったし、先輩に対する恋心だって確 かにあった。 けれど、今は。 まだ自分が『まとも』であるうちに、この人と、なに か特別なことを分け合いたかったのだ。 「ん―――くぅ!」 尻をつきあげて、シエルはもっと強い刺激を求め てくる。 柔らかい、成熟しきった尻の肉を鷲掴みにして、 俺は自身の生殖器を彼女の穴におしつける。 「…そう、そこ。お尻のあなにいれて、志貴君」 「――――」 俺は頷くしかない。 さっきから、人間の言葉なんてとっくに忘れちまっ ている。 シエルはいつもの先輩じゃなくて、一人の女だっ た。…いや、雌という呼び方のが相応しいのかも しれない。 俺は彼女を好きな方法で犯しているけれど、その 実、俺を先導しているのはシエルだった。 よく肉のついた腕、なめらかな腰まわり。 少年のような凛々しい顔立ちなのに、一部の隙も ない女性として完成された体。 喘ぐ声やこぼれる涙さえ、媚薬めいて理性が消 えてしまいそう。 「――――」 ぐ、と尻の穴に生殖器をねじ込む。排泄器に入る 生殖器。ブラボー、たしかにこんなのは今まで味 わったことのない感覚ってもんだ。 俺の男根はすでに生殖器なんかじゃない。ただ 快楽を得るための触覚にすぎなくなって、先輩の 腹の中をつきあげる。 「く、ふぁ―――!」 ぎしり、と床がきしむ。 肛門の締め付けは膣のそれとは比較にならない。 食いちぎられそうな圧迫は恐怖と―――ぎりぎり のところの悦楽を与えてくれる。 肉体的には痛くて、射精をこらえきれない。 精神的にはひどくて、とりあえず外れた感じ。 ――ああ、ようするに。 つまるところは最高にブッ飛んでるってコトだろ? 「くぅ………っ!!」 根元からほとばしる熱いものに堪えながら俺自 身を突き入れる。 「はあぁああ…! …志貴くん、君の、おっきくて、 いたい………っ!」 絞りだすようなシエルの声。 かまわず付き入れる。 ごり、と何か堅いものに触れるような感覚。 「そう――そこを、かきまわして―――っ!」 ぐっ、と一段とシエルの体が躍動した。 ペニスが、ぞうきんのように巻き絞られるような激 しさ。 「――――ぐぅぅうう!」 たまらず、俺はこらえていたモノを吐き出す。 ごぽり、ごぽり、と音をたてて排泄される白濁とし たモノ。 いつもはぬるりと熱い精液が、今は、まるでコー ルタールのように灼熱に感じられた。 |
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